解説(ワンポイント・アドバイス)
・平成10年の税制改正で減価償却の制度が改正された。改正の主な内容は「建物の償却方法の変更」「建物の耐用年数の短縮」「少額減価償却資産の取得価額基準の引き下げ」「2分の1簡便償却制度の廃止」「営業権の償却方法の変更」「ファイナンス・リースの取引の賃貸資産の償却方法の変更」である。
建物の償却方法の変更
新たに取得する建物の償却方法は、定額法のみとなった。
建物の耐用年数の短縮
建物の耐用年数がおおむね10%から20%程度短縮された。
少額減価償却資産の取得価額基準の引き下げ
少額減価償却資産の取得価額基準が20万円未満から10万円未満に引き下げられた。なお、20万円未満の資産については、事業年度ごとに一括して3年間で償却できることになった。詳しくは、一括償却を参照。
2分の1簡便償却制度の廃止
機械装置等に認められていた初年度2分の1簡便償却制度が廃止された。
(平成10年4月1日以後に開始する事業年度について廃止)
営業権の償却方法の変更
営業権の償却方法が、任意償却から5年間均等償却に変更された。
ファイナンス・リースの取引の賃貸資産の償却方法の変更
ファイナンスリースに該当するリース取引(平成10年10月1日以後に締結したリース契約)の賃貸資産で、非居住者又は外国法人の国外において行われる事業の用に供される資産の償却方法はリース期間定額法とされた。
・平成15年度税制改正により、少額の減価償却資産の取得価額の損金算入の特例措置が導入され、中小企業者に対し、少額減価償却資産の取得価額要件が10万円未満から30万円未満に引き上げられた。
詳しくは、少額減価償却資産を参照。
・平成18年度税制改正により、中小企業者に対し、少額減価償却資産の取得価額の損金算入の上限が年間合計300万円となった。ただし当該事業年度が1年に満たない場合は、300万円を12で除し、これに当該事業年度の月数を乗じて計算した金額となる。
詳しくは、少額減価償却資産を参照。
・平成19年度税制改正にて、減価償却制度について抜本的な見直しが行われた。
償却可能限度額及び残存価額の廃止
平成 19 年 4 月 1 日以後に取得する減価償却資産について、
償却可能限度額(取得価額の 95 %)及び残存価額が廃止され、耐用年数経過時点に
残存簿価 1 円まで償却できるようになった。
平成 19 年 3 月 31 日以前に取得した減価償却資産については、
償却可能限度額(取得価額の 95 %)まで償却した事業年度の翌事業年度以後 5 年間で残存簿価 1 円まで償却できるようになった。
償却方法の見直し
平成 19 年 3 月 31 日以前に取得した減価償却資産に関しては、
従来の償却方法の計算の仕組みが維持されつつ、名称が「旧定額法」「旧定率法」等に改められた。
平成 19 年 4 月 1 日以後に取得する減価償却資産に関しては、
新たな「定額法」「定率法」が導入された。
新たな「定率法」の導入によって、定額法の償却率の原則2.5倍に設定された「定率法の償却率」(耐用年数省令別表第八に規定)が適用され、従来の制度に比べて早い段階で多額の償却が可能となった。
・平成20年度税制改正にて、減価償却資産の耐用年数表について見直しが行われた。
法定耐用年数及び資産区分の見直し
平成20年度税制改正において、減価償却資産の耐用年数等に関する省令が改正され、機械及び装置を中心に実態に即した使用年数を基に資産区分が整理されるとともに、法定耐用年数の見直しが行われました。
・平成23年度税制改正にて、定率法の償却率の見直しが行われた。
平成24年4月1日以後に取得する減価償却資産について、定率法の償却率は、定額法の償却率(1/耐用年数)を2.0倍した数となった。(200%定率法)
新設された「200%定率法」は平成 24 年 4 月 1 日以降に取得した資産に適用できる。
なお、改正に伴い、以下の経過措置が設けられている。
平成 24 年 4 月 1 日以降に取得した減価償却資産(定率法採用)のうち、平成 24 年 4 月 1 日前に開始して、平成 24 年 4 月 1 日以後に終了する事業年度で、その事業年度内に取得した場合は 250%定率法を採用できる。【経過措置1】
平成 24 年 4 月 1 日以後最初に終了する事業年度の申告期限までに届出を出せば、既存の資産(250%定率法)は、200%定率法の償却率で計算をしても、当初の耐用年数内で償却できる。【経過措置2】
※本製品では経過措置には対応しておりません。